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トップトピックス出社時のコミュニケーションをより効果的に!ABWを取り入れたオフィス戦略

お役立ち情報

出社時のコミュニケーションをより効果的に!ABWを取り入れたオフィス戦略

ABW(Activity Based Working)について

ABWとは、ワーカーが業務内容に応じて主体的に働く場所や時間を選択できるワークスタイルのことです。
・今日は案出しのミーティングがあるから、出社
・ひとり集中して提案書を仕上げたいから、今日は在宅勤務(出社時であれば、社内の集中ブースで作業)
というように、ワーカーが自分で選んだ環境で業務を行えます。

スペース効率を高めることが目的のフリーアドレスはオフィス内のデスク運用にとどまりますが、ABWは働く場所の選択肢が多岐(オフィス内、自宅、社外のカフェ、サテライトオフィス等)にわたります。

ABW導入の目的は、ワーカーの組織に対するエンゲージメント(愛着や思い入れ)と生産性・コミュニケーションを向上させることです。働き方を会社から与えられるのではなく、ワーカー自身が自律的に働き方を決められるため、ワーカーのストレスは低減し、従業員満足度が高まると言われています。 そして、働きやすい環境で業務を行うことによってアウトプットの品質向上にもつながると考えられています。

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ハイブリッドワークが理想の働き方として定着している今、出社を「より価値の高いコミュニケーションの場」にするためのワークプレイス戦略が注目されています。このコラムでは、働く場の一つとして「オフィス」に目を向けてみました。ABWの視点を可視化し、よりわかりやすくするため、モデルオフィスでの具体的な取組みをご紹介していきます。

ABWについてより深く知るために、パーソルファシリティマネジメント株式会社(詳細はこちら)の「Workstyle Labo」をご紹介いたします。秩父宮ラグビー場と神宮球場が目の前に広がり、遠景には国立競技場がそびえ立つ緑豊かな立地です。ワークスタイルを科学・検証する「Workstyle Labo」は、実際に社員が働いている様子を見学できる、ユニークなオフィスです。

出社時のコミュニケーションを促すヒントがギュッと詰まった「Workstyle Labo」

ABWは「広大なオフィスの多彩なワークスペース」がなければ成立しないのでしょうか?いいえ、組織の規模や状況に応じて、取り入れ方は十人十色。ホームオフィスにおいても、ちょっとした工夫でワーカーの創造性が刺激され、お互いのコミュニケーションを促すことができます。

パーソルファシリティマネジメント株式会社では、創設当初からハイブリッドワークを採用してきたそうです。オフィスに最も求められる役割はコミュニケーション・コラボレーションと考え、オフィスの各所にコミュニケーションが効果的に生まれるための仕掛けを施しています

オフィス内の執務スペースは「周りと会話しながら働くのに適したエリア」「静かに集中して働くのに適したエリア」に分かれています。また、気軽に集まって打合せがしやすいスペースを多く設けています。一連の業務の中で求められる働き方が、オフィス内を周遊することで上手く機能するように設計されています。

ABWを後押しするための有益なアイデアが随所にちりばめられているこのモデルオフィスから、ご一緒に「やってみたい」を探してみましょう。では、テナントビルのエレベーターをあがって「Workstyle Labo」へと出発です。

エントランス

一歩足を踏み入れると、ホテルのロビーにいるような香りに包まれました。オフィス内にもいくつかのアロマディフューザーが置かれ、それぞれ「リラックス」「気分スッキリ」など、違う香りが楽しめるそうです。観葉植物の緑と安らぐ香りで、五感が整います。

いざ、オフィス内へ

受付を済ませて、ドアの向こうにあるオフィス内に一歩足を踏み入れます。実際に働いている人々の姿から会社の様子を感じ、来客エリアからもオープンにコミュニケーションをとれるような空間になっています。
活動中のオフィスは、無機質なショールームとは全く違います。そこで働く人々の活気と、手に取るような臨場感を感じました。

偶発的なコミュニケーションを生み出すためのスペース

まずここは、出退勤時に必ず立ち寄るロッカーです。ロッカーには名前だけではなく、顔写真とちょっとした自己紹介が貼られています。
ロッカー前には、ミーティングスペースがありました。ばったり出会って「あ、そういえば」という形で開催される、そんな不定期ミーティングも、たまにはよいのではないでしょうか。

ロッカーの近くには、立ち話スペースもあります。身支度を整えたあと、帰り際にちょっと話をするくらいなら、こんなスタンディングテーブルが適しています。
その横には、健康器具がありました。パソコン作業時の巻き肩対策でしょうか。ワーカーの健康管理にも一役買いそうです。

活発な意見が飛び交うミーティング&時にはひとりで集中モードを両立

壁面全体がホワイトボードのミーティングルームが複数見られました。ブレインストーミングやアイデア出しに適した空間です。
複数拠点からの会議参加や会議の録音・録画など記録として残しておきたい場合はオンライン会議。ブレインストーミングや案出しなど、活発な発言が求められる場合は対面会議。会議ごとの目的に合わせて場所が選べるよう整備されていました。

会議がダラダラと長びいてしまう、チームで集まった時の時間管理が難しい、そんなお悩みはありませんか?この椅子は底面が不安定なので、深く座り込むことできません。そのため、会話にアクティブに参加し、アイデアを湧き出しやすくする仕掛けがあります。短時間でも活発に意見を出し合いたい会議には、このスペースが向いています。

集中して作業したいときは、デスクトップモニターと昇降機能付きのデスクが設置された集中スペースで。
ただし、出社時はなるべくコミュニケーションを優先してほしいという方針のため、使用上限は1人1日3時間までの制限を設けています。

オフィスの「交差点」中央部の吹き抜けスペース

高い天井はワーカーの創造性を高め、心理的な解放感を生み出します。普段は執務席として利用できますが、前方には大きなスクリーンがあり、セミナーや全社会議などの大人数での利用もできます。そのようなフレキブルな活用法を想定し、吹き抜けのある空間があることを条件に物件選定をしたそうです。
天井が低くても、吹き抜けの空間が中央にあることで「圧迫感を感じにくい」という効果もあります。

螺旋階段をのぼりながら振り返ってみると、ひな壇に人が集まっていました。モニターの画面を観ながらオープンなミーティングが始まったようです。ひな壇の上段から後ろを覗き込むように会議に加わるメンバーが印象的で、実際、誰もが参加しやすい雰囲気を感じました。
オフィス内のキャビネットを最小限にするため、ひな壇など造作家具の中は収納スペースになっています。中には、防災備品や折り畳み椅子などが収納されています。

上階のカフェスペースとミーティングスペース

螺旋階段を上って、上階へ。このフロアは、休憩空間と仕事空間を兼ねています。隣で仕事をしている人がいると雑談や休憩をしづらく感じてしまう懸念があるため、時間帯を区切って運用しています。仕事をするうえで、メリハリは大事です。

上階の奥には、開放的なミーティングスペースがありました。プロジェクターやホワイトボードが設置され、全員が同じ方向を向いて議論や情報共有ができるスタジアム形式のミーティングスペースです。
ソファー裏にある台はスタンディングデスクのようになっていて、パソコンを置くこともできます。

オフィスはわが家!エンゲージメントが向上し、コミュニケーションの場となっている清掃DAY

本日はちょうど、隔週1度のオフィス清掃日。オフィスをきれいに保ち、コミュニケーションを活性化するため、社内清掃は自分たちで行っているそうです。最初のきっかけは、社内に数多く設置している観葉植物のメンテナンスを専門会社にアウトソーシングするため、経費削減の目的で開始しました。

また、この日は「部署を越えたコミュニケーション施策」の一つして活用されているそうです。清掃日には出社を呼びかけ、大体8割程度が参加。社員同士が体を動かしながら自然なコミュニケーションをとれる場となっています。

見学者などの来客が多く、人目が多いこともプラスに働きます。自分たちの場所として、オフィスをきれいに整えようという意識が生まれているとのこと。常にお互いを配慮して整理整頓。オフィス環境を自分事とすることで、組織の一員としての主体性・自律性がはぐくまれます。このような全体での清掃日の取り組みには、エンゲージメント向上効果があると感じました。

清掃日は、このように掃除用具が社内の数か所に置かれます。普段は複合機や消耗品類がおかれているスペースに、清掃用具もまとめて保管されています。オフィス内のゴミ箱も、該当スペース内の1箇所のみです。
複合機、消耗品類、ゴミ箱がひとつに集約されていることで、フリーアドレスのオフィスに起こりがちな「何がどこにあるかわからない」問題を未然に防げます。また、例えば、ごみを捨てに来た人と印刷物を取りに来た人が出会い、偶発的なコミュニケーションが生み出される。そんな場所として期待し、設計されているそうです。

おわりに

今回ご紹介した、「Workstyle Labo」の取り組みはいかがでしたか?ABWの考え方を基にしたワークプレイス戦略について、少しでも身近に感じていただけたでしょうか。

現在、出社と在宅を使い分ける「ハイブリッドワーク」が定番の働き方となってきました。今回は、出社時のコミュニケーションを円滑にするABW視点での工夫をご紹介しましたが、もともとABWにはリモート環境が必須です。リモート時のコミュニケーション、必要なツールや運用面についても、見直しと振り返りを定期的に実施してください。

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